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十二
寒さの中、公演前に小屋へと集まってきた座の面々。
そこに一人の娘を連れてやってきた中年の男、年配の女に向かって
「お民よ。今日からこの座に入る事になったお咲だ」
「新入りですかい? 旦那?」
「ああ。よろしく頼む」
これにその娘、深々と頭を下げ
「お咲と申します。よろしくお願いします」
「ふうん」
娘の頭のてっぺんから爪先まで凝視するお民。それが終わるや否や、傍らの扇子を放ってき
「じゃあ、桜でも舞ってくれるかい?」
寒さの中、公演前に小屋へと集まってきた座の面々。
そこに一人の娘を連れてやってきた中年の男、年配の女に向かって
「お民よ。今日からこの座に入る事になったお咲だ」
「新入りですかい? 旦那?」
「ああ。よろしく頼む」
これにその娘、深々と頭を下げ
「お咲と申します。よろしくお願いします」
「ふうん」
娘の頭のてっぺんから爪先まで凝視するお民。それが終わるや否や、傍らの扇子を放ってき
「じゃあ、桜でも舞ってくれるかい?」
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