二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

二十四

「ほな、いくつか聞きますさかい、答えてくれまっか？」

「ああ」

「まずは、ナイマンはんの死体を発見したんは？」

　これに蕾が

「私ですう」

「そか。で、どこを撃ち抜かれてたん？」

「えっと、この辺り……右のこめかみですう！」

「こめかみってか？　自害の線もあるわな」

　一人頷く破近に蕾が

「でも、その鉄砲が見当たらないんですう」

「ホンマかいな？　ま、それでも一応聞いてくれへんか？　自害の動機ならびに遺書、この二つの有無をな」