二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

五十七

「だったら、例えご主人を殺めても借金の証は残りますから。手を掛けるのは無駄のような」

「いや、大野屋さんよ。借金の返済をご主人よりしつこく迫られていたら、わからんよ」

「成程。それはそうかもですね、春日さん」

　ま、まずい。話がどんどん進んでいる。

「だがな、救われている部分もあるな……」

　春日、話を進めるなって！

「そこの高宮さんも、ご主人より相当顎で使われてたようだし、な？」

　これに本人が

「……つまらん事を」