二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

三十五

　これに平尾の狐が目を丸くし

「そんな恐ろしい事を、よくもまあ！」

「だが奥さんよ、それしか考えられんだろ？」

「そうですかい？　思いつきすらしませんが……もしや、おたくが？」

「な、何だって？」

　驚く春日だったが、すぐに笑い出し

「アッハッハ！　俺様がここに来たのは今日だぞ、今日！　すでにそん時にゃ、神田屋さんは消えてたんだぞ！　だったらな、昨日やってきたあんたら四人の中の誰かの仕業に決まってるだろが？」

　は、早くも！