二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

二十二

「ええ。朝より、旦那様のお姿が見えずに」

　これに反応したのが次に顔を現した丸顔の男で、何やらその髭も合わせ、達磨大師を見てるようだが。

「何だと？　こうしてわざわざ来てやったのに、主の姿が見えんだと？」

　やはり言葉遣いも偉そうだ。別に、佐吉を攻めたところでどうしようもないのにな。

「春日様、誠に申し訳ございません……」

　可愛そうな初老の男、深々と頭を下げている。

「申し遅れましたが、私は使用人の佐吉と申します」