二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

十七

「まあ、多少の時刻はずれるがな……い、いわゆる相打ちってやつだ。ゴホッ」

　さ、最後まで――こ、この野郎！

「そ、その役人ってのは、誰なんだ！」

　だが

「じ、自分の目で確かめるんだ、な……ゴホゴホッ」

「ク、クソッ！　おい、言うんだ！」

「ハッハッハ……じゃ、じゃあ……待って……る……ぞ……」

　お、おいって？

「ク、クソッタレ！　くたばりやがって！」

　しばらくの間、放心状態が続いたが

「誰かに見られない内に始末しないと！」