二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

五十二

「四人で……」

「そや。仏様の見てる前で、これ以上の偽りは言えんやろし……」

「……」

「まさか己で命を絶つっちゅう阿呆な事もせんやろ、な？」

　これにも無言を貫く、水鏡をはじめとする小僧たち。

　だが、この沈黙を破ってきたのは、事もあろうに

「貴方たちね、住職といったら主人同然でしょ？　それを殺めてしまうって、市中引き回しで皆から見られて、挙句の果ては鈴ヶ森で磔（はりつけ）になるんだから！」

「こ、この坊主！　何言うてんねん！」