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三十二

「ほな、散歩でもしょっかいな?」

 こう言って破近、明智様をおぶったまま、さっき己がつけた足跡の横を歩みだしている。そして同じように十歩ばかし進んだところで戻ってきた。


「はい、おしまい! 早よ下りてや!」


「え? あ、はい」


 首を傾げたまま吟味方の背より下りた明智様


「一体、何が知りたいんです?」


 だが相手はこれを無視し、じっと雪の上に残っている三種類の足跡を覗き込んでいる。


「ほな、二人ともこっちゃ来て見てみ!」


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