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二十二

 だが、それでも笑みを絶やさぬ男。実は言い負けても構わない、と考えているのだ――それが真実であれば。


「あらら、二対一かいな?」


 これに明智様


「だってね。どう見たって自害なのに、それを否定してくるから」


「ほな聞くけんど」

 破近、交互に二人の顔を見ながら


「実際にな、腹切りの現場に立ち会ったことあるん?」


 この言葉に顔を見合すお二人さん。そして、まずは菊やんが


「ございませぬ」


 続いて明智様も


「見たことないですよ」


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