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十三

「帰ればいいんでしょ、帰れば。でもね、誰かさんと違って縦横無尽に屁なんてこけませんからね!」


 こう、捨て台詞を残し歩き去った菖蒲殿。だが一方の明智さん、そこまで天邪鬼ではないゆえ、その場に残ったままだ。



「結構、歩きにくいですね」


 ようやく僧堂までやってきた菊やん。そこに


「ま、覗いてみ?」


 そう促された若者、扉があった跡の、桟で囲まれた大きな穴に目を移してみるや――堂の中全体が一目瞭然。


「こ、これって?」


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