1692/3502
十
ゆっくりと用心深く雪の上を歩く無頼安。それを見ながら菖蒲殿が一言
「フン。自分だけ馬で行くって……相変わらずズルイ男だこと」
だが、これが聞こえた地獄耳の持ち主。即座に振り向き
「自分、まだおったんかいな? 早よ帰って、屁でもこいて寝さらせ!」
「ここにおってや」
愛馬にこう言い残し、僧堂の観音開きに手をかけた破近だったが
「ん?」
そう吐いて、さらにガチャガチャと扉を引っ張るも
「……中から閂が掛けられてるんか」
ゆっくりと用心深く雪の上を歩く無頼安。それを見ながら菖蒲殿が一言
「フン。自分だけ馬で行くって……相変わらずズルイ男だこと」
だが、これが聞こえた地獄耳の持ち主。即座に振り向き
「自分、まだおったんかいな? 早よ帰って、屁でもこいて寝さらせ!」
「ここにおってや」
愛馬にこう言い残し、僧堂の観音開きに手をかけた破近だったが
「ん?」
そう吐いて、さらにガチャガチャと扉を引っ張るも
「……中から閂が掛けられてるんか」
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。