二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

十

「度重なるご無礼をしましたよって……実は、庄屋はんで夜毎集いが開かれておりますわ」

　そう言ってきた女将だが

「あ、これは、うちの口から聞いたとは言わんといてください」

　早速、その夜の庄屋にて

「さあ皆の衆！　今宵もおんどれ様にお祈りするのじゃ！」

　台の上に立っている山伏姿の男の一声で、そこに集まってる町人らが一斉に

「おー！」

　そう口にするや否や、あちこちから

「あんどれかんどれおんどれ、なんちゃらかんちゃら……」