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八十五

「おまえって、ホンマに無敵やな!」

 ここは奉行所の庭先、破近が目の前の今や油蝉ならぬ熊蝉を見つつ


「こいつ生きてるやろな?」


「大丈夫ですう! 鬼だから、多少の事ではくたばらないですう!」


「あのな、こいつって鬼に化けてた人間やで?」


 これに、言葉使いの苦手な娘


「つべこべ言うな、ですう!」


とぬかして、一発蹴りなんぞを入れている。


「ウッ」


 そら、あまりにも可哀想すぎる。


「ねね? 今、『ウッ』って言いましたよねえ?」


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