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五十二

「な、何やねん?」

 いきなりの爆音に振り返ったお調べ中の破近、遠くの空を見上げ


「誰やねん? 昼間っから打上げ花火やってんのは?」


 これに周囲の役人も手を止め


「何故に、夜に打上げないんだ?」等など。


 だが、菊やんだけは


「鈴木様。ひょっとしたら、あれって狼煙では?」


「はあ?」

 一瞬驚いた吟味方だったが、すぐに


「そらあいつらの事や、言えてるわな……っちゅうか、阿呆やろ?」


 そう一言残して、愛馬に跨り向かって行った。


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