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四十三

「そっか。誰も鬼の姿を見てないとするとな……」

 腕を組んでた吟味方、それを解いて顎に手をやり


「今回襲われたんはな、いつもと違うて日が暮れた後かもしれへんわな?」


「ああ、成程。それで、どうなされます?」


 この問いには破近、やや別の角度から話を始め


「な、菊やん? 元々な、身ぐるみ剥ぐっちゅうんは金目のもんを盗る為とちゃうんか?」


 いきなり振られた菊やん、少々戸惑いながらも


「そ、その通りですが……それが何か?」


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