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四十二

 だがそこは吟味方、早速愛用の虫眼鏡を取り出し調べ始めている。

 仏の左腕は肘から下が食い千切られた格好だが、彼が注目したのは掌が残っている右手で


「ここな、ぎょうさん胼胝たこができてるわな?」


 そこに顔を近づけた勇気ある菊やんも


「確かに認められますね」


「これってな、何かを常日頃より握ってた証やろな」

 こう確信した破近、相手に向かって


「で、目撃したもんはおるん?」


 だが今度ばかりは


「いえ、鈴木様。それが皆無でして」


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