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四十一

 一通り頑張って検めた若同心、ここでようやく止めていた息を吐き出し


「ふう。まさに鬼の食ろうた跡のよう」


 こう眉を潜めるも、その実はそのような者の存在などは信用していない。

 そして続けて、周りの野次馬に問うている。


 やがてやってきた吟味方、相手を一目見るなり


「お、菊やん。ご苦労はん!」


「あ、鈴木様。一応は検めましたが、あまりに惨すぎて」


 これを聞きながら破近、仏に目をやり


「確かに、何べん見ても虫唾が走るわな」


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