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二十六

「え?」


 それに破近、微笑みながら


「別に疑ってるわけちゃいまっせ。実際におたくはん、鬼なんぞ見たことないでっしゃろ?」


「も、もちろんです」


「ほんなら、ホンマもんの鬼なんか、鬼の格好をしただけの贋もんか……これはわかりまへんわな?」


 この吟味方の言葉に


「そ、その通りです。あまりの恐ろしさに、そこまで詳しくは……」


「こら素直で、ええ心がけでんな!」


 こう相手を褒めた破近、ようやく仏さんを調べ始めたのだが――


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