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第四話 アリエント号殺人事件 一
ここは南町奉行。
今、破近が事の経緯を告げたところである。
「そら良かったのう!」
木俣様に、そう言われた破近だが
「後味は少々悪うおますけんど」
「確かに、身内同然の者に陥れられた訳だしな」
ここで相手が破近の肩を叩き
「まあ、終わった事は仕方ない。明日に向って行くしかないぞ」
これに破近
「よう言いまんな。次に控えてるんは、例の遊覧船ですやん」
「そう言うなって」
「で、木俣はん。蕾を同席させてもよろしいでんな?」
*アガサ・クリスティ「オリエント急行の殺人」への、ほんの1%のオマージュ