二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

二十二

「酒呑童子現る！」――今やお江戸中、この話題で持ちきりである。それにしても、町人らの恐怖を必要以上に煽る――罪深きは瓦版。

　だが、あながちそうとも言い切れなかった。と言うのも人肉を食らう悪しき鬼、過去においては何度も出没しているから。

「なあ、青き目？　これ以上、町民らを不安や恐怖に陥れる事はできん」

「それあっちゃでは、一言パニックいいまんねん」

　だが、不機嫌極まりない木俣様

「ぱにくでも馬肉でもよいわ！」