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二十

「ふう、暖まったわ! おおきに、な!」


「それはようございました」


 腰の低き男に、ここで吟味方


「なな? 今日の昼九つあたりの事、聞きたいんやけんど」


「え? 聞きたいとは、何をでございましょう?」


 これに破近、指差しつつ


「あっちゃの方から、男一人来いへんかった? 身の丈は、そやな……五尺四、五寸っちゅうとこや」


「男が一人で……」

 顎に手をやってる店主だったが、すぐに手を打って


「ああ、九つ過ぎにお見えになりましたよ」


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