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十九

 目撃者に、その時刻を確認した破近


「暮六つ頃かいな」


 一言つぶやいた後、愛馬に跨り、やってきた方とは逆の方に向かって走り去っていった。



「ここら辺りやろな? つか、メッチャ体冷えたわ」

 仏の男の足を考え、昼九つ近辺の居場所を探っている破近。愛馬の速度を落としつつ、先の方に目をかざしていると


「お? あそこの茶店、臭うやん!」



「あ、お役人様、いらっしゃいませ!」


 笑顔で出てきた店主に、早速


「まずは茶一杯くれへん?」


*暮六つ=午後六時 昼九つ=正午

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