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十七

「よう知ってまんなあ」

 部下を一言褒めた吟味方


「ほな、調べよか」


 

 やがて一通り作業を終え


「思うた通りやわ。真正面から一太刀で斬られたんはわかるけんど……この仏はん、他に何の手がかりも持ってへん」

 その通り、顔から胸、そして腹に手足――つまり体全体の十数箇所に噛み千切られた跡が残っており、人相すら判別しかねるのだ。


「ホンマに食ったんやろか?」


 腕を組み悩む吟味方。そこに丸眼鏡君


「まさに鬼の仕業っぽいですね」


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