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十五
「さ、阿呆はほっといて」
草履を直しながら破近、藤殿に
「その酒呑童子って何もん?」
「昔、京の都に出没した鬼の首領で、人を襲ってはその肉を食らったという話です」
「そらえげつないやっちゃな……」
破近、眉を潜めつつ
「で、実際にその姿を見た者おるん?」
「あ、それは」
藤殿、近くの農夫と中年女を順に指し
「この二人が見たと」
「ホンマかいな?」
目を見開いた吟味方、すぐに二人の顔を交互に見て
「間違いのう鬼でしたん?」
「さ、阿呆はほっといて」
草履を直しながら破近、藤殿に
「その酒呑童子って何もん?」
「昔、京の都に出没した鬼の首領で、人を襲ってはその肉を食らったという話です」
「そらえげつないやっちゃな……」
破近、眉を潜めつつ
「で、実際にその姿を見た者おるん?」
「あ、それは」
藤殿、近くの農夫と中年女を順に指し
「この二人が見たと」
「ホンマかいな?」
目を見開いた吟味方、すぐに二人の顔を交互に見て
「間違いのう鬼でしたん?」
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