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十一
「そんなはずは……」
だが今度は別の方から、中年女が藤殿の言葉を遮ってき
「お役人様、私も見ましたよ! その人が言うとおり、鬼が仁王立ちで……それも長き刀を持ってましたって!」
「だ、だから、何かの錯覚ですって」
とは言ったものの若同心、チラリと仏に目をやり
「い、いや、やっぱりいるかも……うっぷ!」
すっかり困り果てている藤殿、おかしな汗で丸眼鏡も曇ってる――と、そこへ愛馬に跨りやってきたのが
「す、鈴木様!」
「そんなはずは……」
だが今度は別の方から、中年女が藤殿の言葉を遮ってき
「お役人様、私も見ましたよ! その人が言うとおり、鬼が仁王立ちで……それも長き刀を持ってましたって!」
「だ、だから、何かの錯覚ですって」
とは言ったものの若同心、チラリと仏に目をやり
「い、いや、やっぱりいるかも……うっぷ!」
すっかり困り果てている藤殿、おかしな汗で丸眼鏡も曇ってる――と、そこへ愛馬に跨りやってきたのが
「す、鈴木様!」
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