1552/3502
五
いつもの橋のたもと。だがお二人さん揃って、その顔色はさえない。
「まさか、この冷奴さんが賊に襲われるとはねえ……ホント、参りましたよ」
片方も、これに頷き
「そら一緒ですわ。よもや、このわいまでもが捕らえられるって、な」
「そらもう旦那そっくりだったんで、つい油断してしまって」
「それも一緒ですわ。ホンマ姐さんやと思ったさかい、のこのことついて行きましたわ」
――要は傷の舐め合いと言うか、言い訳合戦というか。
新年、明けましておめでとうございます。本年も、青き目を宜しくお願いいたします。