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 しかし、この威嚇にも相手はただ一言


「待ちくたびれたわい!」


「な、何だと?」

 これに眉を潜める男だったが、薄暗い中、ようやくその頭部に生えている物に気づき


「お、お、お……」


 目を丸くし、言葉も詰まった。だが、その代わりに周りの旅人より次々と


「ひええ! お、鬼だ!」

「うわあ! に、逃げろ!」


 しかしながら当の本人はというと、断末魔の叫びすら上げることもできず――一瞬にて、三尺余りの長尺刀で斬り殺されたのだった。


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