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八十

「……」


 もはや何も言えなくなった姐さん。

 これに相手が


「おや? もういいのかい? 眠り薬については聞かないのかい? その袖の血の跡については……」


「もう、いいんですよ」

 相手の目を見ている姐さん、そして


「そんなの、女将さんらしくないですって」


 この言葉に、ややうろたえた黒豆奴。すぐさま山田さんに向って


「ささ、旦那。早くお縄にしなされ!」


「あ、ああ」


 そう答え、すぐに隣を見やる役人。

 そして、これに頷く破近だった。


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