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五十五

「揃いも揃って、戯言をほざきおって……上司を侮辱する奴には重罰が下されるぞ。それでもいいんだな? この馬鹿者らめ!」


と、この時だった。部屋によろよろと入ってきた泥まみれのくの一、いきなり喚きだし


「エーン! お気に入りのこの橙の着物をこんなにしてえ! だ、大体があ……」

 ここでカッとその目を開き


「本物のご主人様ならばあ、そこは阿呆って言ってますう!」


「えっ?」


 そこに蕾、ガバッと口を開け


「いでよ! 我米良あ!」


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