二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

三十九

「お、朝ちゃん！　よう来たわ！」

　これに親分

「ちょっとばかし、組にゴタゴタがありやして……で、早速ながらわしはどこを見張れば？」

「えっとな、南側の裏口辺りやねん。で、それと一緒にな」

　ここで二人の同心に、その青き目を向け

「そこのお二人さんも見張ってや」

「え？　ああ、わかりやした」

「フン。相変わらずの物扱いだこと！」

「ですよねえ？　菖蒲さん」

　そこに朝ちゃん、持ち前のドスの利いた声で

「よろしゅう頼みますわな！」