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七十六

「ヒエッ!」


 これにビビッた二人が、一目散に逃げようとしたことろ

 足元で失神しているおっさんを、毬の如く蹴り転がしたつみれさん


「このお方も連れて行ってくださいな」


 この一部始終を、唖然とした顔で見ていた冷奴姐さん


「え、えっとどこまで……あ、そうそう」

 そして再び黒豆奴さんを見やり


「まさか女将さんが、あの萩の旦那と」


 それに相手が


「ああ、腐れ縁とでも言うのかねえ」


「ここのご主人さんとは、いつ頃からなんです?」


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