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二十

「あのう鈴木様、うっぷ……そろそろ本題に、オエッ」


 手拭を外し、喋る度にえずくは菊やん。


「あ、そやったな……で、そのズサンって、何もんやねん?」


 これに二十衛門


「確か本当の名は、ヤルセーヌ・ズサンだったかな?」


「あらま、やわ! やるせぬって、何や切ないやん」


「あのな、いちいち話の腰を折るなって! でな、わしら盗賊業に携わるもんにおいては……」


 だが、やはりそこは性分


「まるで、まっとうな職みたいに言うやん?」


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