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十七

「ま、何事も経験や、菊やん」

 すでに牢部屋の前まで来ているお二人さん


「ほな、入るで!」


 そして、中へと入った途端


「す、鈴木様? 何やら不思議な臭い……うっぷ」


「ほら、ちゃんと手拭で口覆っとき」


「あ、はい。し、しかし、この臭いとは?」


 やがて二人が辿り着いたのは、無論臭いの元


「お、元気そうやん!」


 これに相手は下を向いたまま


「その声は青き目だな?」


「そや。で、今日は新入りも連れて来たわ……これ、菊やんやねん」


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