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十二

 これには菖蒲さん、絶好の機会到来とばかり


「雪舟を知らないって? あらま! 普段より科学とか偉そうに言ってる割には、芸能とか文芸にはついてはからっきしだこと!」


 確かにその通りの破近だったが、そこは持ち前の気の強さで


「あ、ぶんぶくお釜くらいは知ってまっせ!」


「そこ、茶釜でしょ! 茶釜!」


「あとはな、おかまいたちの夜や」


「そこ、『お』は要ら……」


 これにウンザリ顔の木俣様


「や、やめんか! 話が先に進まんだろが!」


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