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百六十一

 どれくらい経ったのだろう? ようやくムクリと起きた先生、辺りをキョロキョロと見回し


「だ、誰もおらぬとは、薄情な連中め。これでもこの福神、医術においては、その左……ん? 右じゃったかの? あ、いや確か左のはず。あ、やっぱり……」



 翌日、甲斐を後にする一行。

 そして、すでに無頼安に跨ってる破近


「ほな、早よ後ろに乗り! あん時の姐さんのな、ち……」

 ここでハッと、口をつぐんだのだが


「旦那? 今、乳言おうとしたでしょ?」


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