二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

百五十

「ここで重要なんは」

　そして目一杯、声を上げた破近

「小宮山はんや河はんがでんな、実際には現場を見てないことでんねん！　死んだ振りなんてな、できるだけ見られん方がええに決まってま！」

　このどでかい声に、ようやく目覚めた葉隠様

「そ、それはそうだが」

　だが、その手を顎にやり

「うーん。医者も確認し、仏になってたのは相違なき事ゆえ……一体どこのどいつが？」

　これに吟味方、然も当然と

「六番目のもんに決まってまんがな！」