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九十七

「ようこそ、ですわ!」


 ようやく金々館にたどり着いた福神先生だったが


「フンだ!」


 プイッと横を向いている。

 何故に機嫌が悪いのかがわからぬ破近だったが、相手の頬を見て


「あれって、姐さんの仕業でっしゃろ?」


「む、むかついて、つい掌底を」


「あちゃあ」


 これに、横から菊やんが


「鈴木様。どうされます?」


「うーん……」


 だが、さすがに反省している姐さん。今まで聞いたこともないような声を出しながら、相手に近づいている。


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