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八十七
「た、確かにその通りでした」
破近に言われ、うなだれている菊やん。
「ま、心配せんでもええって。このわいが、直接葉隠はんに頼んでみるさかい」
「承知しました」
ここで破近、さらにその顔を見ながら
「でな、菊やん。二つばかしお願いがあるんやわ」
これに、怪訝そうに
「今更、何をでしょう?」
「まずは借りてきた百両箱の検証をな、一緒に立ち会って欲しいんや」
「それくらいの事は」
「で、二つ目は……辛い話やも知れへんけんど」
夜行バス内です。お、発車したし!