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六十五

「あ、でも」


 またまた口を挟んでくる山田さん。


「どうせまた、女将かお凛ちゃんがサッと近づいて、姐さんのお猪口にパッパッと薬を入れた……こう言うつもりなんやろ?」


「え? あ、まあ」


「下手こいたらな、現行犯で捕まってまうで」


「それはそうですが。にしても鈴木様。石を仏さんに握らせてみたり、冷奴の着物に血をつけてみたり……」


「着物に血やて? そら初耳やわ」


「でね、この下手人って、調子に乗りすぎてやしませんか?」


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