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六十四
やがて、四人と一匹の前に現れたのが――
「あれが金々館にてございます」
「ふうん。結構立派な旅館でんな」
そう感心している破近に、菊やんが
「ええ。確かに甲斐でも一、二を争う老舗でして」
「でも去年やめはったんでしょ? 何ででっか?」
「実のところ、やめたというよりも」
菊やん、ここで目を破近の顔に向け
「いきなり主人が行方知れずとなりまして」
「お? そらまた、でんな? ほな、そのまま今なお……」
「……不明のままです」
やがて、四人と一匹の前に現れたのが――
「あれが金々館にてございます」
「ふうん。結構立派な旅館でんな」
そう感心している破近に、菊やんが
「ええ。確かに甲斐でも一、二を争う老舗でして」
「でも去年やめはったんでしょ? 何ででっか?」
「実のところ、やめたというよりも」
菊やん、ここで目を破近の顔に向け
「いきなり主人が行方知れずとなりまして」
「お? そらまた、でんな? ほな、そのまま今なお……」
「……不明のままです」
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