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六十一

 ここがチャンスとみた破近


「そやからでんな。その喜助って野郎を連れて、一度現場を訪れたいって」


「ん?」


「もちろん、そちらの役人も同行させますよって」

 ここで策士、声をデカくし


「お願いしますわ、公正なる葉隠様!」


「あっはっは! そらそうですな。何せこの葉隠吉左衛門、公正なる裁きを信条としておりますからな!」


 機嫌良く許可した相手に破近


「おおきにですわ!」

 だが、すぐに小声で


「ハガクレって? 歯茎まで丸見えやん」


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