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四十

 三尺ばかし大きく崩れた親分、すぐに体勢を整え


「そっちは河豚刺し! こっちは鉄の鎖なの!」


「そ、そこまでキレはらんでも」


「え?」

 やや赤面しながらも、すぐさま素に戻った相手


「コホン。つまりが、執念深き堅物ということでしてな」


「あ、さいでっか。ほな失礼しまっさ!」


 これだけ放った破近、姐さんを連れてとっとと部屋から出ていってしまった。

 そしてその背を見送った親分、ぽつりと


「ここまでの軽き輩……初めてじゃわい」


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