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六十一

「ま、仮に見られていたとしてもな、わざわざ相手の指輪まで外そうとはせえへんって。危険が伴いすぎや」


「な、なるほど」

 ようやく頷く山田さん。


「では十五引くところの、家族連れと新婚とおっさんら、ああ冷奴も……候補はこれで六名と?」


「そやねん。で、ここで疑問があるんや」

 破近、その青き目を姐さんに向け


「なな、指輪が外されるのにも気づかんくらい、酔っ払ったんでっか?」


「うーん。とにかく朝っぱらから頭が痛くて」


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