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三十一

 少しばかり考えた破近、やはり決断が早く


「ほな、家で少しだけ待っててもらえまっか?」


 これだけを言い残し、助平が向かった先は


「そうですかい、旦那。姐さんとこの、あの……」

 ここは鬼霧組。破近より話を聞かされた親分、ここで辺りを探るように見回し


「豚がいなくなったとはねえ」


「そや、朝ちゃん。その……」

 破近も同様に周囲をうかがいつつ


「豚が戻ってきいへんのや」

と、ここで膝をうち


「あ、そやそや! 喜助もやったわ!」


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