二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

五十九

「え、いえ滅相もない！」

　これに肩をすくめた破近、再び皆に

「で、誰が姐さんを罠にはめたんか、や」

　ここで、いきなりおっさん連中の一人に目を向け

「あんたが、姐さんをはめたんかいな？」

「は、はあ？　な、何でわしが、そんな見ず知らずの人を？　もし、わしが誰かをはめるなら、こいつですよ」

　おっさん、そう言って隣のおっさんを指差してきた。

　それに、指された相手が血相を変え

「て、てめえ、公衆の面前で何て事をぬかすんだ！」