1339/3502
十五
「無粋な輩だねえ、ったく。せっかく何かのご縁なんだから、名乗るくらいいいんじゃないかい?」
こう言ってきたのは例の女で
「あたしゃ菊代っていって、お江戸の一色町ってとこで小料理屋をやってるんですよ」
これに早速返してきたのが女好きの野郎――つまり喜助で
「へえ! 女将さんですかい!」
「いや、たいしたことないんで。で、おたくは?」
「あ、鬼霧組の喜助っていうもんで」
つい調子に乗った男、組の名まで口に出している。
「無粋な輩だねえ、ったく。せっかく何かのご縁なんだから、名乗るくらいいいんじゃないかい?」
こう言ってきたのは例の女で
「あたしゃ菊代っていって、お江戸の一色町ってとこで小料理屋をやってるんですよ」
これに早速返してきたのが女好きの野郎――つまり喜助で
「へえ! 女将さんですかい!」
「いや、たいしたことないんで。で、おたくは?」
「あ、鬼霧組の喜助っていうもんで」
つい調子に乗った男、組の名まで口に出している。
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。