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十四

 さらに徳利とお猪口を盆に乗せ運んできた与三郎、各々の前で


「勘助さんと菊代さんは熱燗で、周五郎さんは冷で……えっと、喜助さんは何になされます?」


「じゃあ、熱燗を一つ」


 そして、ようやく食事の用意も整い


「恐れ入りますが、お食事の前に自己紹介なんぞをしていただきたいと」


 これに面倒臭そうな顔つきの岩男、いまだに腰を擦りながら


「いいじゃねえか、そんなもん。こちとら腹すかしてるんだから、さっさと食っちまおうぜ」


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