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十二

 だがそこは白雪さん、猛然と男めがけて突進したかと思いきや――何と、雨戸もろとも庭までぶっ飛ばしてしまった。

 これにビビったのが、もう一人の貧弱な男で


「し、死んだ?」


「ま、まさか」


 慌てて駆け寄る与三郎だったが、さすがは岩男、何とか自力で庭より這い上がってきた。


「ふう。それにしても、この俺様を一撃で吹っ飛ばすとは……たいした、ぶ」


「ブヒ?」


「ど、動物さんだぜ!」


 これに喜助


「実はその子、一応おなごでして」


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