二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

十一

　喜助を案内する男が、隣より

「喜助さん、申し遅れました。主催側の与三郎でございます」

「こりゃどうも」

　そして、一つの部屋の前までやってき

「ここに皆様お揃いです」

　愛想の良い男、目の前の襖を開け

「皆様！　こちらが喜助さんに白雪さんで……」

　この言葉で、一斉に顔を向けてきた男二人に一人の女。そして、その男二人の内の岩のごとき体格をした方が

「な、何故に豚などが……」

　これに一人ほくそえむ喜助

「こりゃ、いい勝負か？」