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五十八

 一通り話を聞き終えた破近、女将に


「これで全員でっか?」


「あ、いえ。ここにもう一人」

 その後ろから、まだ十代と思われる娘が


「住み込みの女中で、お凛と申します」


 これに指を折る破近


「ほな、元芸子はんが五名、家族連れ、新婚はん、むさ苦しいおっさんら三名、女将はんとお凛ちゃん……容疑者は十五名やな!」


「で、冷奴を除いて、十四名ですかい?」


 この山田さんの言い方が気に入らなかった破近


「自分もこん中に入れたろか?」


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